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イースターのイベントの日。夢廻獣という存在が現れ色々な問題がよくわからない内に片付いた 

あの後ドロシーさんを探してみたけど結局見つからず、卵を探す時間も終わってしまったので諦めて部屋に戻った 
自室に置きっぱなしだったステイリーさんとの通信用魔導具を手に取って魔力をこめる 
今日中に、どうしても会いたくて 

『はい、もしもし』 
「あ、ス、ステイリーさん…!遅くにすみません…!そ、その…突然で悪いですが…ちょっとでいいので会えませんか…?少しでいいんです…!」 
『いいですよ。……ちょうどルリアさんの所に行こうかと考えていたところだったんです。どこで会います?』 
お、同じように会いたいと思ってくれたのかな?顔が熱くなる 
「え、えとえと…そ、そうですね…屋上か…私の部屋か図書館か…ふ、二人になれる場所が良いです…!どこが近いですか…!?」 
『今はお部屋ですか?わざわざ出てきてもらうのも悪いですし、ルリアさんのお部屋に伺いますよ』 
「わ、分かりました…!お待ちしてます…!」 
通信を一旦切った。 
急いで部屋の片づけが大丈夫か眺め、クローシアさんがかけてくれてた魔法もとけて元の服になった姿を眺め…可愛い服に急いで着替えるのだった 


数分後ノックの音が響いた 
「は、はいー!ただいま…!」 
急いでドアに向かったら勢い余ってタンスにぶつかる。い、痛い…!暫し痛みに耐えそれからドアを開いた 
「お、お待ちしてました」 
「だ、大丈夫ですか……?」 
相変わらず心配そうな顔をしてくれる。ううう…ドジした… 
「だ、大丈夫です…!はい!ど、どうぞ。お茶いれますね」 
相手を招き入れて部屋の奥、寝室に招き入れた 


テーブルの上には用意しておいたカップとちょっとしたお菓子。準備は完璧! 
「お邪魔します」 
ステイリーさんは持っていた鞄を置いて座る 
テーブルに椅子だと堅苦しいし近づきにくい。だからカーペットを敷いてあるこっちの部屋でベッドを背に二人でクッションに座る 
近いしまったり出来るしでこの距離感が暖かくて好き 
失敗しないよう丁寧にお茶を注ぐ 
「今日のエッグハントは参加されたのですか?」 
「あ、はい。参加しました」 
紅茶を二人分注ぎ相手に渡す。まだ熱いお茶を少しさまして口にする 
「良かったらお話し聞いて欲しいです…!色々あったので」 
「えぇ、是非聞かせて下さい」 
私は今日あったことを思い浮かべた 
…どう話そう…? 

「え、えとですね…何から話したものだか…あ、そうそう!ヴェルノ様が来てたんですよ!」 
彼は一時的に事情があって祖国に帰っている。今日この日に会えたのは本当に偶然だったんだろうけど嬉しかったなぁ… 
「そうなのですか?それは一目会いたかったですね。元気そうでした?」 
「はい…!お元気そうでした!…色々あってあまりお話出来なかったんですよね…。それが残念です…」 
「そうなんですか……せっかく会えたのに残念ですね。忙しくしてるのでしょうかね」 
「そうですね…。帰りも慌てて帰ってしまったのできっと忙しいのでしょうね… 
あのですね、今日事件があったのです。それで慌ただしくて…。夢廻獣ってご存じですか?」 
「夢廻獣、ですか?魔法生物の名前でしょうか。聞き覚えはない…ですね。…何があったのです?」 
「わ、私も詳しくはないので何とも…。えーと…先生達が危険を察知して…黒い影の姿のそれが…猫にとりついて、でディティクさんの杖を借りて防衛術使って…瞬間移動で医務室に行って…そこで屋上が炎上と凍り付いているのを見ていってみたら終わってて…」 
要約してみようとしたら意味不明すぎる説明になってしまった… 
「…詳しく話すと多分長いのですが…とりつかれた猫と蝶がぐったりしてしまったんです」 
とりあえず一番被害が大きい相手を報告してみる。やはり意味が不明な気がしてくる… 
「そ、そうですか……」 
やはり相手も分かりにくいのか少々困惑気味だ。しかし私自身もあまり事態を把握してないままだったという… 
「結局その夢廻獣というのは何とかなったんですね……?猫と蝶は大丈夫だったのですか?」 
「あ、はい。黒づくめの…夢関連の先生が対処してくれました。二匹もちゃんと元気にして貰えましたよ」 
元気になれたならよかったと思う。あれが人に向かなくてよかった、とも 
「……黒づくめの夢関連の先生、ですか。……とにかく何事も、ということはないでしょうが、無事で良かったです」 
私自身も相手と対峙したけど結局無事だった。それは何よりだったことなんだろう。私だって知らない間にステイリーさんが巻き込まれてああなっていたら…すごく怖い 
「そうですね…。ソニヤさんとエリーさんはちょっと倒れていましたが…あ、でも酷い状態ではなかったですし…」 
「そうですか……」 
ちょっとしんみりしてしまった。改めてちょっと心配になるけどあそこには先生もいたしきっと大丈夫と信じれる 
「あ、そうそう!私卵見付けれたのですよ!これです…!」 
卵の柄を相手に向けて手に取る 
「可愛らしい柄ですね。ルリアさんらしいです」 
「本が描かれるとことか…私っぽいですよね 
…あ、あのですね…その…卵って見つけるとお願い事が叶うって聞いたのです…。だ、だからこれ…!受け取って下さい!わ、私のお願いは…ステイリーさんの願いが叶って幸せになって…くれますようにって…思って…その…」 
羞恥で俯く。この卵の願いが叶うという噂を聞いてからずっと考えてた。私はステイリーさんに幸せになって貰いたいのが願い 
だったら今日は忙しくて卵を探せないと言っていた彼の為の願い事に使って欲しいって 
ステイリーさんは卵を受け取ってくれた 
「……僕の幸せを願ってくれたのですか?ありがとうございます。では……こちらはルリアさんの別のお願い事でもして下さい」 
そういうと鞄から紺から菫色へグラデのかかった星空柄の卵を取り出し、差し出された。…あれ? 
「え!?い、いえいえいえいえ!そ、それはダメです!ステイリーさんはちゃんとステイリーさんのお願事を…!あれ?卵いつの間に!?た、卵が二個で二個お願い事とかお得じゃないですか!」 
「帰ってきた時校門近くで見つけまして。ルリアさんも卵が見つかってて良かったです。良かったら交換していただけませんか?……僕の願いはそれで十分ですので」 
校門前で発見出来たって…な、なんという幸運…!って…え… 
「交換…ですか…?」 
恋人同士でイースターエッグを交換すると永遠の愛が保証される…という噂話を思い出して顔が真っ赤になる 
「あ、の…その…それって…い、いえ、その…噂の……」 
「ご存知でしたか……もちろんルリアさんが良ければ、ですけれど」 
…やっぱり知ってるんだ…。どうしよう。恥ずかしくて、でも…嬉しい… 
「………うれしい…です…」 
卵を受け取る為にそっと手を伸ばす 
「良かった」 
そしてどうぞ、といいながら卵を差し出されて私の手に彼の卵が収まる 

「あ、有難うございます…」 
…模様綺麗だなー…。すごくステイリーさんらしい… 
「こちらこそありがとうございました。大切にしますね」 
「私も、ずっと大事にします…!また、ステイリーさんの星貰ってしまいましたね…」 
髪の星をいじりながら笑顔で返す。 
「……今度一緒にこの卵の台座でも買いに行きませんか?」 
台座…。そう言えば私そんな立派なの持ってない。ど、どうしよう?今日は卵のパックでいいかな? 
一緒にお買い物…。デートだ!…って喜ぶ前に現実を思い出して下を向いた 
「……留学前なのですし…準備にちゃんと時間使わないと…。もうじきですし、時間が…」 
そう。もうあとちょっと。今日だって準備で時間がなかった。 
だからなのかな?早く渡したかったのは。ちょっとでも私に時間をさいて欲しいなんて我儘な感情 
私は、私が貴方に会いたいって願いで卵を渡したのかもしれない 
「……ご心配されなくてもそのくらいの時間ならありますよ。なかったらここにもいませんし」 
「…時間が取れるなら…少しでも一緒にいたいです…」 
「では講義が終わったあとにでも行きましょう。都合のいい日はありますか?」 
「え、えと…明日…とか…?明後日だとバイトで…」 
慌てて頭の中で予定を思い出す 
「では明日に」 
「は、はい…!明日…。…嬉しいです。…今日は…夕飯もう食べましたか…?」 
時間も夕飯に少し遅れてる程度。意識したら空腹を感じる 
「いえ、帰って来てすぐこちらに来ましたので……。食堂でも行きますか?」 
「は、はい…!卵料理食べたいです」 

とりあえず卵は卵のパックにしまっておいて、二人で並んで食堂に向かった 

後日、二人でお揃いの台座を買った 
その二つの台座が二つ並んで飾られることになるのはまだ、先の話 

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