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 研修に入るようなって日々はとても忙しく、目まぐるしい。これも目標の為だと思えば頑張れる。けど、一つだけちょっと思うのが…恋人と会う時間が多く取れないのが…ちょっとだけ寂しい。今はそんな事言っている場合じゃないのは分かっている。


 でも、やっぱり、会いたい訳で

 ようやく取れた時間に私はステイリーさんとデート出来た

 でもその日は雨。インドア派の私たちはまったりお部屋で過ごす事にした
 お茶を飲んだり、読書をしたり。一緒の空間にいるだけで嬉しくなる

 しとしとと鳴る雨の音を聞いていて、暫く。ふとステイリーさんを眺めると目を閉じてうとうとしていた
 …まじまじ眺める。ステイリーさんも疲れているのかな…?卒業して就職して…お仕事慣れてないだろうし…。少しでも休めていたらいいな…
 すれ違う時間が増えるのに寂しさを覚えるけどどうにもならない。何となく近くに寄り添う
 
 トクトクなる心臓の音が雨の音と混じる。私は、側にいれなくてもちゃんとステイリーさんが好き‥。夜だって出来るだけ時間をとって通信してみたり、髪の星の光だけは絶やさないようしたり、お弁当作れる時は作ったりと頑張っている。頑張れるのは全部、好きな人が隣にいてくれるからだ

「大好きです…」
 互いの指についているペアリングをなぞるように確認して、そっと頬に口づける。
 なんだろう、心ごと全部がもう繋がったからなのかな?触れるのが凄く自然に感じる

「僕もですよ」
「え?」
 そう言われて反応するより前に、唇がふさがれた

「!?」
「すみません、寝たふりではなかったのですが…つい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・恥ずかしいです・・・・」
 顔を真っ赤にして、それでも彼から逃げずに逆に体に身を預ける
 ステイリーさんも私の頭を優しく撫でてくれる

 そのまま身を預けて私は彼に寄り添って甘えて、彼は私を優しくなで続ける
「…一緒にいるとやっぱり安心します…」
「そうですね」
「…今日はこのままくっついて居たいって言ったらだめですか…?」
「ダメな訳ないじゃないですか」 
 くすりと笑うその笑顔に心臓が高鳴る。
「今度は…ドキドキで落ち着かなくなりそうです…」
「そうですか」
「あ、つ、疲れたらちゃんと言って下さいね!なんならベッド入って寝てもいいので!」
「いえいえ。折角のデートなのですし‥隣にいたいです」
 ちょっと照れた表情。それが凄く嬉しくてくすぐったくてたまらない

​ そしてまた、私はこの人に恋に落ちていく


 恋人に何度でも恋を出来るのはとても幸せな事だと思う
「私も…隣がいいです」

 寄り添って過ごした午後。穏やかな時間を雨が見守ってくれていた

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