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ルーシャ・ドールズ

私のせいで。

私と会ったから。

そんな考えに思考が沈む。そんな優しく撫でられる立場なんかじゃないわ、私は

「それは、とても…尊いものだと思うわ」
「…食べる。おもち、大福、アイス、総合したスノー大福食べる」
保護されないと自力で生きていけないこどもの自分がもどかしい。
「貴方に加護を。エドガー=デリック・エイヴリング、弱くて何の力もない私だけど、そんな私が貴方のシースよ。なら強くなってみるわ」
……だからって無反応に近いこの反応もまた腹がたつのよ。
「行きましょ、エドガー」

仄かに髪が発光し、嬉しくなると光の蝶が舞う美しい種族。お人形のような少女。その美しさが他所の人間の目につき、平穏を崩された。意地っ張りで負けん気は強いけど基本落ち込みやすく泣きやすい。

思春期らしく多感な時期であり、人間の醜い部分、残忍な部分をたくさん見て来たゆえに人をなかなか信頼できない。

救ってくれたエドガーがいい人なのは頭でわかっているけど、警戒心をとききるにはまだ心が追い付いてはいない。

行きずりの自分を保護し、願いまでかなえようとするのは流石に人が出来過ぎと思っている節がある。

それでも裏がどうしても見つからないから余計相手の不思議と謎は増えるばかりである。助けて貰った恩義は感じているし今も保護されているのも理解しているので大きく反発はしない。

すぐ食べ物でつってくる相手に内心でためいきをつきつつ、元居た世界よりこっちの方がご飯が美味しくてはまっているのも事実であった。餌付けの度に蝶が出てしまうのは自分でもちょっとどうかと思ってはいる。

おもちにアイスなスノー大福が好物らしい。

​相手の真摯な態度、戦いっぷりに徐々にほだされている。救ってくれた相手を多少王子様みたいだな、と思う節もあったり。でも相手が自分を庇護する対象にしか見てないのも知っていて、勝手にやきもきしていたりもする。

『光さす道を貴方に私は示す。貴方を守護する力を。
 そして栄光の冠を貴方に』
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